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たまてぼっくす

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一谷嫩軍記

劇場に行ったら、一階席をとってたのでびっくりした。
だいたい何時に行くか以外忘れちゃってるのです。
一階と言っても花道の外なんだけど、馬がよく見える席だった。
花道に出てきた馬の首の骨組みを手で動かしているのが透けてみえて、お腹に後ろ足の人用の空気穴があいているんだな、と思いました。敦盛の馬が主人を失って心を残して去っていくところが哀れでよかったです。
馬以外にも、舞台転換の青い幕を落とすために天井付近に上がってる人も見えたし、定式幕を三人がかりでまとめてるのも見えた。
とても新鮮だった。
あと、熊谷が「敦盛」(実は身代わりである自分の子、小次郎)を討つのにさんざん躊躇して、「檀特山(だんどくせん)の憂き別れ、悉陀太子(しっだたいし)を送りたる、車匿(しゃのく)童子が悲しみも」という台詞が聞こえた。しゃのくどうじなんて知らないけど、なんか山でシッタルダと別れた人がこのくらい悲しかったんじゃないかって意味だというのが分かった。
その台詞があるので、『陣門』、『組討』の場を壇特山というんだそうだ。ここのくだりはあまり上演されないので見に行った(ほんとは鏡獅子の胡蝶目当て)んだけど、みるのは初めてではないはず。でも、寝てたのかもしれない。なんか玉織姫が死んじゃって死に損…って思ったような。
あと、一階前方だったので、花道後方に平山が崖の上からながめるのをわざわざ崖をだしてやっているのが見られたのもラッキーだった。

とにかくそんな難しい言葉が突然聞き取れたのにはびっくりした。たぶん文楽に何度か通った効果と、その日の調子とかがあったんだと思う。
そういうのがかみ合ってみると、陣屋で熊谷が裏に潜んでいる梶原景高に聞かせるために実際とちょっと違うことを語っていること、語りつつしょっちゅう妻相模の顔を見て、実は小次郎なんだけど、って思ってることとか、藤の方と主従関係だったのを相模がずっと恩に着てることとか、そういうのが立体的に見えてきて、すごく新鮮だったのでした。
今まで何見てたんだか、って気もするけど、わかってなくても面白いけど、わかってる人はこういうの(からそれ以上)がみえてたんだと思った。
なんですかねえ、ハチとアブの違いが分かるようになったとか、自転車に乗れるようになったとかそういうことなのか、今回限りなのか…びっくりしてます。
まあ、それがわかってないぷあーな状況で見ましたって言ってるのも恥ずかしいけど、世の中いろんな人がいるんで、まあいいです。
書いとかないと忘れるし。書いても忘れるし。
あと、鎧がぴかぴかでかっこよくて、とても重そうで暑くて大変で…、いろいろな始末を黒衣さんが手伝ってて…そういう人たちも裏の人たちもみんな命がけで演じてるんだなあって思いました。
ていうか、思わされる状況…。

なんて贅沢なことなんでしょうかこれは。(感嘆)
そしていつまでも続いてほしい。だから胡蝶をみる目に熱がこもりました。
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by urasimaru | 2013-10-19 00:24 | 歌舞伎 みた | Comments(0)
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